はじめに

このメモは東洋大学環境建設学科の3年生を対象とした 授業「計画数理II」の講義ノートです. 授業は,確率と統計の基礎から話を始めて, AIC(Akaike's Information Criterion)の 使い方までを解説しています. 教科書には坂本・石黒・北川の「情報量統計学」 [1]を用いています. 学生時代の僕は,この教科書を読み通すのにとても苦労しました. そのときに疑問に思ったことなどを活かして,授業では, なるべく初心者に解るように話をしています. 話の展開はどうしても「情報量統計学」と同じになってしまいがちですが, 難解な部分の解説を加えて,多少易しく話しているつもりです. 話の厳密性が十分でないところもありますが,それは教科書を参照して いただければと思います. AICとの出会いがいつだったのかは忘れてしまいました.最小自乗法が パラメータ数を多くすればいくらでも残差平方和を小さくすることが できることが不満だった自分にとって,はじめてAICを知ったときの 感動は忘れることができません.是非,たくさんの人に AIC の良さを 知って頂きたいと思っています.

Takashi Yoshino
平成17年4月8日